探県記 Vol.78

三瓶自然館サヒメル

(2016年7月)

SANBESIZENKAN SAHIMEL

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世界唯一の地層展示に目を見張り
地球の成り立ちを知る冒険の旅へ出発!

 
国立公園に指定される三瓶山の北麓、北の原エリアの大自然の中に建つ『三瓶自然館サヒメル』は、大地の成り立ちや、そこに棲んでいた生き物たちを紹介する、かなり興味深い博物館です。
 
らせん階段を上りながら観察できるのは、火山灰が積み重なった地層の実物。三瓶山が約16000年前に噴火したこと、その後、休止をはさんで、何度も噴火した状況を目の当たりにできる、世界唯一の展示です。


「黒い地層は、火山が休んでいた時代のもの。木が生え、虫が棲んでいた時代です」と学芸員の中村唯史さん。
 
あまりの完成度の高さに「これが実物なんですか?」と内山キャプテンも疑問を持ったほど。
 
「本物の地層を縦に切り出して、崩れないように専用の接着剤で固めてから、グラスファイバーシートで補強しています」と中村さん。その高さは建物の1階から3階まで!見応え充分です。
 

地味に多い世界的なものを展示
珍獣デスモスチルス!?リャンコ大王!?


 

とにかく広い三瓶自然館サヒメルには、三瓶山の活動で形成された世界最大級の埋没林や、世界唯一の結晶形を持つ松代鉱山の霰石(あられいし)なども展示されています。
 

また、かつて島根に生息していたという謎の珍獣デスモスチルスの全身骨格や、世界唯一、雄のニホンアシカのはく製〝リャンコ大王〟にもお目にかかれます。
 

さらに、口径60cmの反射望遠鏡と4基のクーデ式望遠鏡を備えた本格的な天文台があり、直径20mのドーム型スクリーンを備えたビジュアルドームではプラネタリウムと大型ドーム映像を上映。
土曜日の夜には、8時と9時の2回、天体観測も開催されています。
 
「いつも思うことなのだけれど、山陰はあらゆるものが運良く出会った場所なんだなと実感します」と内山キャプテン。
確かに、三瓶自然館サヒメルは、大自然の不思議に触れられる面白すぎる場所でした。
 

【アクセスについて】
●三瓶自然館サヒメルへのアクセス/JR大田市駅より車で30分
●島根県大田市三瓶町多根1121-8

【WEBサイト】三瓶自然館サヒメル