探県記 Vol.63

大しめなわ創作館

(2016年2月)

OOSHIMENAWA-SOUSAKUKAN

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日本一の大しめなわを制作し、出雲大社に奉納
飯南町のパワースポット『大しめなわ創作館』

 

広島県との県境に近い島根県飯石郡飯南町の国道54号沿い、『道の駅頓原』の隣に、2年前(2014)、大しめなわ創作館がオープンしています。
建物は、出雲大社の神楽殿をイメージさせる堂々とした姿。なんと大しめなわ創作館、神楽殿と同じ設計者によるものだそうです。

 
大しめなわ創作館は、しめ縄の生産を行いながら、飯南町に伝わるしめ縄文化を後世に伝えることを目的として、制作工房の見学や資料展示、実際にしめ縄作りが体験できるコーナーを備えた、おそらく国内唯一、しめ縄のすべてがわかるスポットです。
 
では、なぜ、飯南町に、大しめなわ創作館ができたのでしょう。
それは昭和30年代、飯南町に出雲大社分院があったご縁で、近郷の信者さんや住民の皆さんらによって、出雲大社の大しめ縄の制作・奉納が行われるようになりました。
 
昭和56年(1981)、出雲大社の新神楽殿が竣工したときには、それまでよりもさらに巨大なしめ縄が必要となり、そこで、主力となって日本一の大しめ縄を制作し奉納したのが、出雲大社勧農講社と、ここ頓原の老人クラブだったのです。

 

職人さんの手ほどきでオリジナルしめ縄作り
ちょっと難しいけれど、かなりおもしろい!

 

 

キャプテンも、職人さんの手ほどきを受けて、手作りしめ縄体験に挑戦。藁を撚(よ)り合わせ、小型のしめ縄を作る初級者コースです。なんとか撚りあげたしめ縄は、基本形の輪じめにしたら、好みの短冊を選んで、スタンプを押して、取り付ければ、オリジナルご縁結びの完成。これがなかなか楽しくて、キャプテンのしめ縄も、なかなか見事な出来栄えです。

 

体験コーナーの奥にあるのは、体育館みたいに広い、しめ縄制作工房。棟梁の石橋真治さんを頭に、大勢の職人さんたちが、日々しめ縄作りに取り組んでいます。

 

 
大しめなわ創作館のしめ縄は、地元飯南町産の素材で作るのが基本。町内には、しめ縄専用に田んぼがあり、もち米の稲がまだ青くて真っ直ぐな8月に刈り取り、そして乾燥させて、必要のない“はかま”を一つ一つ手作業で取り除いて、やっと、しめ縄用の藁になるのだそう。大変な手間と時間が費やされています。
 
そもそも、しめ縄には、「占め縄」「〆縄」「標縄」などの意味が込められていて、しめ縄の内側は神様や仏様が占有する神聖な場所。しめ縄は、神仏と人との境界あるいは結界を表しているのです。
 
お正月に飾る一般的なしめ縄だって同じ意味。我が家が年神様をお迎えするにふさわしい清浄な場所であることを示すものです。また大相撲の横綱も、しめ縄に由来しているとは、本当におもしろい。
 

 

【アクセスについて】
●大しめなわ創作館へのアクセス/JR大田市駅から車で約50分
●島根県飯石郡飯南町花栗54-2

【WEBサイト】飯南町大しめなわ創作館