探県記 Vol.47

宇倍神社

(2015年11月)

UBE JINJA

234

 

日本初、お札になった神様をお祀りする
お金にご縁が深い宇倍神社


緑の杜に守られた長い石段を登って、たどり着いたのは、因幡一の宮、宇倍神社。
ご祭神は、武内宿禰命(たけのうちのすくねのみこと)です。
創建は、孝徳天皇大化4年(648)と伝えられ、平安時代に編修された『延喜式』の中に、鳥取県で唯一、特別な社格が与えられた神社“名神大社”であると記される、由緒正しい神社なのです。
 

石段をのぼりきった左手に、手水舎。江戸時代の建築で、現在では、宇倍神社で最も古い建物となっています。きちんと手を洗い、口をすすいで、参拝へ。境内は美しく掃き清められ、玉砂利を踏みしめる音も快く、心身ともに引き締まる思いがします。
 

まずは参集殿で、ご神職からレクチャーを受けます。これが、実に面白い。
おもむろに取り出されたのが、大きく引き伸ばした明治時代のお札。そこには、武内宿禰命の御尊像と、社殿が描かれていました。そう、宇倍神社は、日本で初めて、お札になった神社。お金にご縁があり、商売繁昌の神様として、全国からの参詣者が絶えないのです。
 
「でも、なぜ、神様の顔が分かったんですか?」と、確信をついたキャプテンの質問に、ご神職の答えがちょっとウケます。
「いいところに気がつきましたね。当時まだ、日本にはお札を造る技術がなかったため、イタリア人が想像して描いたのだそうです。だから、彫りの深い顔をしたおじいさんですよね」。
 
キリンはキリンでも一角の生えた麒麟が舞う
全国でも珍しい麒麟獅子舞
 

鳥取県東部、因幡地方に約350年前から伝わる伝統の舞“麒麟獅子舞”は、県の無形民俗文化財。
毎年、4月21日、宇倍神社の例祭が執り行われ、麒麟獅子舞が奉納されています。
 
そこで、登場したのが黄金色に輝く麒麟獅子の頭。
「獅子舞に頭を噛んでもらうと賢くなるんですよね。でも子供の頃は、それがこわかった」という木村隊員に皆が賛同。
 
まだ本殿へはたどり着きませんが、丁寧なご神職のお話が興味深すぎる、それも宇倍神社が参詣者を引きつける魅力なのでした。
 

 
【アクセスについて】
●宇倍神社へのアクセス/JR山陰本線「鳥取駅」より車で約13分
●鳥取県鳥取市国府町宮下651
【WEBサイト】宇倍神社