探県記 Vol.16

民宿かまや

(2015年3月)

MINSHUKU-KAMAYA

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目の前の日本海獲れたて
垂涎ものの漁師料理に舌鼓。

浜田海岸県立自然公園エリアに、海水浴場としても知られる、のどかで小さな唐鐘(とうがね)漁港があります。水揚げされる主な魚貝は、夏の真イカを代表に、アジ、ブリ、サワラ、タイ、サザエ、アワビ、ワカメ等々。
そんな名前を聞いただけで垂涎ものの、新鮮な海幸料理がいただけると知って、唐鐘漁港のすぐ真ん前、民宿かまやさんにお邪魔しました。
 

 

店主の稲元正敏さんが腕を振るう料理は、真フグのたたき(白子も添えて)、焼きウチワエビ(シラミエビのこと)、水ダコのお刺身(吸盤が最高)にはじまり、話題の高級魚ノドグロの煮付けに、名物ボベ貝飯など、どれもこれもが新鮮で豪快。
「素晴らしい!」と魚好きの内山キャプテン、目の色が変わります。
「漁港が目の前ですから、漁師さんと契約し、その日獲れたての魚を料理します」と稲元さん。
「真フグなんかは、めちゃめちゃ獲れるんですよ」とは、仲買人の柳雄一郎さんです。
 
波の音を聞きながら、素材ひとつひとつの持ち味が存分に発揮された漁師料理に舌鼓。なんて贅沢なんでょう。
 

 

 

トンネルの先に開けた
1600万年の不思議を感じてみる。

民宿かまやさんから徒歩数分、石見畳ヶ浦隧道(ずいどう)に入り、賽の河原で手を合わせて進むと、国の天然記念物“石見畳ヶ浦”が現れます。
 
1600万年という長い時間をかけて、隆起と沈降を繰り返し、今の姿になったという、とても珍しい景勝地です。
その広さ約4.9ha、砂岩やれき岩などの岩盤が、波で削られて出来た海食台で、千畳敷(せんじょうじき)と呼ばれ、地質学的にも貴重なことから、国の天然記念物に指定されています。
所々に、丸い腰かけのような岩が出現。これは、ノジュール(団塊)と呼ばれる、貝の化石などが固まった自然の造形物なのだそう。
「はじめて見ました!ひとの手が入っていない自然って、こんなにも不思議なんですね」と内山キャプテン。
 

 

県内で唯一、環境省が選定する“かおり風景100選”に、磯の香りで選ばれてもいる、石見畳ヶ浦。歩きやすい靴で、ゆっくり、のんびり、大自然の不思議と、日本海の磯の香りを楽しみに、どうぞ出かけてみてください。
 
【アクセスについて】
●JR山陰本線下府駅より車で約7分
●島根県浜田市国分町602