探県記 Vol.13

美保神社

(2015年3月)

MIHO-SHRINE

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鯛を抱える姿でお馴染みのゑびす様のお陰様

 
海風に揺れるイカの白いカーテンを見ながら、小さな港に背を向けて立つと、すぐ目の前に鳥居がそびえ、足元のマンホールには鯛のイラスト。なんだかカワイイ港町、美保関。
歴史学者・藤岡大拙隊員のもと、御秒奈々隊員、私内山が巡りました。
 

 

 
「神社の清らかな空気感が好きです。特に美保神社は私の中では別格です。」と御秒奈々隊員。
美保神社の御祭神は、鯛を抱える姿でお馴染みの、ゑびす様こと事代主神(コトシロヌシノカミ)。そしてもう1柱が、ゑびす様の義母にあたる三穂津姫命(ミホツヒメノミコト)。2柱のお陰様で、古くから、漁業・海運、商売繁盛、五穀豊穣、安産・子孫繁栄の神社として信仰を集めています。
 

 
「ここの本殿の屋根は非常に特殊なんですよ。」と藤岡大拙隊員。
2つ並んだ千木(ちぎ)の削ぎ方を見ると、男神様と女神様の違いがわかります。正面に向かって左が外削ぎのゑびす様、右が内削ぎの三穂津姫命。この特殊な社は、美保造あるいは比翼大社造と呼ばれて、国の重要文化財に指定されています。
 

ニワトリがお嫌い、鳴り物がお好き

 

 
美保神社の神職さんや氏子さんなど、信仰の篤い人々は、今でも鶏肉・鶏卵を食べないのだそう。それは、ゑびす様が鶏のせいでワニ(サメ)にかまれて負傷。以来、鶏を忌むようになられたという神話が残っています。
「人間味あふれて、なんとも親近感の湧く神様ですね。」とキャプテン。
美保神社の2柱、ゑびす様と三穂津姫命は、最高峰の音楽の守護神でもあり、とりわけゑびす様は鳴り物(楽器)好きで、奉納された楽器は数え切れず。一流アーティストの奉納コンサートでも知られ、かの小椋佳さん、つのだ☆ひろさんもそのひとりなのです。神話の国ならではの逸話の中に知らないユーモアが沢山溢れていました。
 
【アクセスについて】
●JR境港駅より車で約20分
●島根県松江市 美保関町美保関608